HOME > DISCOGRAPHY > SPENCER DAVIS GROUP
ALL WORKS | SOLO WORKS | TRAFFIC | SPENCER DAVIS GROUP | OTHER WORKS

スペンサー・デイヴィス・グループ・アルバムガイド (THEIR FIRST LP)

THEIR FIRST LP

Spencer Davis Group

Side A
01. My Babe
02. Dimples
03. Searchin'
04. Every Little Bit Hurts
05. I'm Blue (Gong Gong Song)
06. Sittin' And Thinkin'

Side B
07. I Can't Stand It
08. Here Right Now
09. Jump Back
10. It's Gonna Work Out Fine
11. Midnight Train
12. It Hurts Me So

Producer : BPR Production

Musicians : Spencer Davis (vo,g,harmonica), Steve Winwood (vo,g,key,harmonica), Muff Winwood (vo,b), Pete York (dr), Kenny Salmon (org)

Release : Jul.1965 (Fontana TL 5242 / UK)

THEIR FIRST LP (Remaster CD)

Spencer Davis Group

CD
01-12. Original Tracks
13. She Put The Hurt On Me
14. I'm Getting Better
15. I'll Drown In My Own Tears
16. Goodbye Stevie
17. My Babe [ US Version ]
18. Searchin' [ US Version ]
19. Every Little Bit Hurts [ US Version ]
20. Midnight Train [ US Version ]
21. Incense (by The Anglos)

Compilation Producer : Shinjiro Kawashima

Release : 2006 (Universal Island UCIY-93173 / JP)

アルバムについて

スペンサー・デイヴィス・グループ(SDG)の初期のメンバーは、リーダーでギタリストのスペンサー・デイヴィス、スティーヴの実兄でベースを受け持つマフ・ウィンウッド、ドラムスのピート・ヨーク、そしてリードヴォーカル、リードギター、キーボードを担当しバンドの花形だったスティーヴ・ウィンウッドの4名で構成されている。このメンバーでバンドを組んだのが1963年で翌年にはアイランドと契約し6月にシングル "Dimples" でレコードデビューを果たした。67年初頭にウィンウッド兄弟が抜けるまでの約3年の間に、SDGは英国で3枚のアルバムと9枚のシングルをリリースしている。これらはフィリップス傘下のフォンタナレーベルから配給されたが、原盤はグループが契約していたアイランドレコードが制作していたので、盤には版元アイランドの社名も併記されていた。

本作は65年7月に英国でリリースされたSDGのオリジナル・ファーストアルバム。ここまでの期間に4枚のシングルをリリースしていたが、この時点では目立ったヒット曲は出していない。しかし地元バーミンガムを中心に精力的にコンサート活動を実施しており着実に基礎を固めていた時期だったと言える。本作に収録された12曲もコンサートでのレパートリーがほとんどで、スペンサー・デイヴィス作の "Sittin' And Thinkin'"、スティーヴ・ウィンウッド名義の "Here Right Now" と "It Hurts Me So" の3曲以外は、R&Bやブルーズのカヴァーなどで占められている。そしてそのうち6曲は3枚目までのシングル両面曲で構成されている。自作曲が少なく個性に欠ける点は否めないが、最初期の彼らの黒っぽいスタイルが明瞭に示されていると共に、スティーヴの若さ溢れる力強いヴォーカルは決して色褪せることのない魅力を放っている。

リマスターCDについて

スペンサー・デイヴィス・グループの3枚のオリジナルアルバムが、2006年にデジタルリマスターによる紙ジャケットCD仕様で限定発売された(08年にSHM-CDでアンコールプレス)。オリジナル音源を使った公式のリマスターCD化は初なので喜ばしい限りなのだが、さらにサブタイトルで「スペンサー・デイヴィス・グループ : コンプリートコレクション」と銘打っている通り、3枚それぞれに収録の豊富なボーナストラックによって、オリジナルアルバム未収録の公式録音曲を全てをカヴァーすると共に、SDGのレコードを米国にて配給していたUA (United Artists) のリリースによるヴァージョン違いの曲まで網羅するという徹底ぶりが素晴らしい。日本人による本シリーズ制作サイドの熱意が感じられる。特にドイツ限定シングル "Det War In Schöneberg" と 米シングルヴァージョンの "Somebody Help Me"、そして "I'm A Man" のステレオヴァージョンなどはこれまであまり聴く機会がなかった貴重な音源といえる

※追加収録曲の詳細は収録アルバム毎に「リマスターCD追加収録曲について」に記載。

収録曲について

My Babe
(R.Hatfield / W.Medley) 2:38
アルバム冒頭を飾る曲はライチャス・ブラザーズ63年のシングルのカヴァー。スペンサー・デイヴィスとマフ・ウィンウッドによるハーモニーヴォーカルに、サビのパートでスティーヴ・ウィンウッドが絡むというスタイルだが、やはりスティーヴのヴォーカルの威力は凄まじい。ピアノのオーヴァーダビングもスティーヴによるもの。

Dimples
(J.L.Hooker / J.Bracken) 2:20
SDGのデビューシングルでジョン・リー・フッカーのR&Bの名曲。デビュー前からギグなどで頻繁に取り上げていた曲だけに、ばっちりと息のあった演奏を披露している。しかし不運にも本家ジョン・リー・フッカーの再録ヴァージョンが同時期にリリースされ、SDGよりも大きなヒットを記録した。リードギターとハーモニカもスティーヴが担当している。

Searchin'
(J.Leiber / M.Stoller) 2:38
ザ・コースターズの大ヒット曲をカヴァー。スティーヴ・ウィンウッドによる軽やかなピアノとポップセンスに溢れたヴォーカルを聴くことができる。

Every Little Bit Hurts
(E.Cobb) 3:27
ブレンダ・ハロウェイのモータウンヒットのカヴァー。キーボードベースの純粋なバラードタイプの曲でサードシングルとしてカットされたSDGの定番曲。曲調からしてビートグループのシングルとしては異例のセレクトだったが、キーボードも巧みにこなすスティーヴ・ウィンウッドの存在をアピールするため、ギターリフの曲よりも難しいこのような作品をあえて選んだ、とマフ・ウィンウッドは語っている。ケニー・サーモンがオルガンを追加している。

I'm Blue (Gong Gong Song)
(I.Turner) 2:40
アイク・ターナーの曲で、ミリー・スモールとのデュエット。SDG名義の曲ではあるがどちらかというとミリーのほうが目立っていて、彼女の特徴あるかん高いヴォーカルにどうしても耳を奪われてしまう。"My Boy Lollipop" のヒットで知られるミリーは、アイランド・レーベルの創設者クリス・ブラックウェルがジャマイカから紹介したシンガーのひとり。

Sittin' And Thinkin'
(S.Winwood / M.Winwood / S.Davis / P.York) 2:57
デビューシングルのB面に収録されたブルージーな作風のSDG初期のオリジナルナンバー。クレジットはメンバー全員だがメインで作曲したのはスペンサー・デイヴィスで、リードヴォーカルも彼が担当している。

I Can't Stand It
(S.McAllister) 2:09
ソウルシスターズのカヴァーで、SDGのセカンドシングルとしてカットされた。クリス・ブラックウェルが発掘したこの曲をメンバーはとても気に入っていたようだ。この曲を聞いたリンゴ・スターは、アメリカのバンドがプレイしていると思ったという。

Here Right Now
(S.Winwood) 3:12
ピアノとオルガンをベースにしたブルーズ風ミディアムテンポのナンバー。クレジットはスティーヴ・ウィンウッド単独作となっているが、遠方でのライヴを終えた2時間後に疲れ切ったところで即興でレコーディングした曲だという。ケニー・サーモンがオルガンを追加している。

Jump Back
(R.Thomas) 1:43
メンフィス系のブルーズマン、ルーファス・トーマスの自作曲のカヴァーで、スティーヴ・ウィンウッドの若さ溢れるパワフルなヴォーカルを聴くことができる。

I'm Gonna Work Out Fine
(J.Seneca / B.Lee) 3:03
アイク&ティナ・ターナーのヒットをカヴァー。実にリズミカルでノリの良い曲でSDGのライヴにおける定番曲でもあった。CDでリリースされた "Mojo Rhythms & Midnight Blues" には、さらにノリの良いライヴテイクが収録されている。

Midnight Train
(A.Roy / G.Hicks) 2:40
セカンドシングルのB面曲で、スティーヴ・ウィンウッドの力強いヴォーカルが魅力のナンバー。同名異曲が多いがベルファスト・ジプシーズ(元ゼムのメンバーによるバンド)やブリンズリー・シュウォーツがSDGと同ヴァージョンで録音している。[ 協力 : るーべん様 ]

It Hurts Me So
(S.Winwood) 2:54
終曲はスティーヴ・ウィンウッドの作曲およびアレンジによるシンプルなバラード作品で、サードシングルのB面に収録されていた。公式録音曲としてはスティーヴ初のオリジナル作品として注目に値する。

リマスターCD追加収録曲について

She Put The Hurt On Me
(L.Nelson) 2:40
65年リリースの4曲入りEP "You Put The Hurt On Me" に収録されていた曲で、リードヴォーカルはスペンサー・デイヴィスが担当。作曲者のローレンス・ネルソンが、プリンス・ラ・ラ名義で録音したものがオリジナル。

I'm Getting Better
(E.Bruce) 2:11
同上のEP収録曲で、大人っぽいしっとりとしたメロディが魅力のバラード。カントリー系のシンガーソングライターであるエド・ブルースの作品の渋いカヴァー。

I'll Drown In My Own Tears
(H.Glover) 4:27
同上のEP収録曲で、レイ・チャールズのレパートリーとして有名なソウルバラード。10代とはとても思えない、スティーヴ・ウィンウッドの渋くて味わい深いヴォーカルと情感溢れるピアノ演奏に聴き惚れてしまう。

Goodbye Stevie
(S.Winwood / M.Winwood / S.Davis / P.York) 2:22
同上のEP収録曲で、メンバー共作による完成度の高い初期のオリジナル作品。スティーヴ・ウィンウッドの軽快なピアノプレイとパワフルなヴォーカルが素晴らしい。ちなみにタイトルはスティーヴの脱退とは関係ない。

My Babe / Searchin' / Midnight Train [ US Version ]
これらは米UA編集盤 "I'm A Man" に初収録されたもので、アメリカでのリリースに際してオルガンをオーバーダビングしたヴァージョン違いとなっている。Sundazed レーベルがボーナストラックを追加してCD化した同名盤にも収録されている。

Every Little Bit Hurts [ US Version ]
同じく米UA編集盤 "I'm A Man" に初収録されたもので、アメリカでのリリースに際してストリングスを追加した別ヴァージョンとなっている。ただし "Eight Gigs A Week" 以外のほとんどの編集盤はこちらのストリングス・ヴァージョンを採用しているので、逆にシンプルなオリジナルヴァージョンのほうが貴重といえる。

Incense (by The Anglos)
スティーヴ・ウィンウッドが名前を隠してリリースしたと噂されるアングロス名義のシングル。詳細は別項の Incense を参照。

THEIR FIRST LP
SPENCER DAVIS GROUP
S.DAVIS / S.WINWOOD
M.WINWOOD / P.YORK