THE SECOND ALBUM
Spencer Davis Group
Side A
01. Look Away
02. Keep On Running
03. This Hammer
04. Georgia On My Mind
05. Please Do Something
06. Let Me Down Easy
Side B
07. Strong Love
08. I Washed My Hands In Muddy Water
09. Since I Met You Baby
10. You Must Believe Me
11. Hey Darling
12. Watch Your Step
Producer : Island Record Production
Musicians : Spencer Davis (vo,g), Steve Winwood (vo,g,key,harmonica), Muff Winwood (vo,b), Pete York (dr)
Release : Jan.1966 (Fontana TL 5295 / UK)
THE SECOND ALBUM (Remaster CD)
Spencer Davis Group
CD
01-12. Original Tracks
13. Stevie's Blues
14. Trampoline
15. Back Into My Life Again
16. Kansas City [ Live Version ]
17. Oh! Pretty Woman [ Live Version ]
18. Det War In Schöneberg
19. Stevie's Groove
20. Stevie's Blues [ US Version ]
Compilation Producer : Shinjiro Kawashima
Release : 2006 (Universal Island UCIY-93174 / JP)
アルバムについて
スペンサー・デイヴィス・グループ(SDG)のセカンドアルバムは、前作から約半年後の1966年1月にリリースされた。これに先駆け前年の11月に5枚目のシングルでジャマイカ出身のソングライター、ジャッキー・エドワーズのペンによる "Keep On Running" が、チャートで初のナンバーワンを獲得するという大ヒットを記録しており、一躍スターダムに上り詰めたSDGは当時ヨーロッパ各地での演奏旅行に多忙の日々を送っていた。そのためこのアルバムも前作と同じく短時間で一気に録音されたという。
本作には前述の大ヒットシングル "Keep On Running" に加え、4枚目のシングル "Strong Love" とそのB面でトラディショナルソングをアレンジした "This Hammer" を収録、純粋なオリジナル曲はスペンサー・デイヴィスとスティーヴ・ウィンウッドの共作による "Hey Darling" のみとなっており、その他はメンバーの音楽的な趣味を反映した多様なカヴァーで占められている。そのためオリジナリティに欠ける点は相変わらずではあるが、カヴァー曲のセレクトやアレンジ面において前作以上のこだわりが感じられる。またレイ・チャールズの秀逸なカヴァー "Georgia On My Mind" に代表されるように、いくつかの曲で確実に表現力の幅を広げており、スティーヴ・ウィンウッドを中心としたメンバー全員の成長を感じ取ることができる内容となっている。
リマスターCDについて
スペンサー・デイヴィス・グループの3枚のオリジナルアルバムが、2006年にデジタルリマスターによる紙ジャケットCD仕様で限定発売された(08年にSHM-CDでアンコールプレス)。オリジナル音源を使った公式のリマスターCD化は初なので喜ばしい限りなのだが、さらにサブタイトルで「スペンサー・デイヴィス・グループ : コンプリートコレクション」と銘打っている通り、3枚それぞれに収録の豊富なボーナストラックによって、オリジナルアルバム未収録の公式録音曲を全てをカヴァーすると共に、SDGのレコードを米国にて配給していたUA (United Artists) のリリースによるヴァージョン違いの曲まで網羅するという徹底ぶりが素晴らしい。日本人による本シリーズ制作サイドの熱意が感じられる。特にドイツ限定シングル "Det War In Schöneberg" と 米シングルヴァージョンの "Somebody Help Me"、そして "I'm A Man" のステレオヴァージョンなどはこれまであまり聴く機会がなかった貴重な音源といえる
※追加収録曲の詳細は収録アルバム毎に「リマスターCD追加収録曲について」に記載。
収録曲について
Look Away
(N.Meade / B.Russell) 2:41
ジャニス・ジョプリンのカヴァーで知られる "Cry baby" などをヒットさせたソウルシンガー、ガーネット・ミムズのシングル曲をカヴァー。ゴスペル調の女声バックヴォーカルを入れた完成度の高い曲で、アレンジと演奏にメンバーの音楽性の深まりを感じさせる。
Keep On Running
(J.Edwards) 2:46
大ヒットを記録したSDG5枚目のシングル。ファズペダルの使用が当時としては珍しく、重厚なリズムと圧倒的なパワーが魅力の名曲。スティーヴ・ウィンウッドの力強くソウルフルなヴォーカルを聴いたアメリカの某ラジオ局スタッフは、それが黒人のパフォーマンスだと信じて疑わなかったという(当時、黒人差別が根強く残っていたアメリカで放送されない要因となった)。作曲者はクリス・ブラックウェルがメンバーに紹介したジャマイカ出身のソングライター、ジャッキー・エドワーズで、原曲はスカのリズムが強調された曲だったという。
This Hammer [aka The Hammer Song]
(Traditional / Arr. Spencer Davis Group) 2:15
4枚目のシングル "Strong Love" のB面曲。ヴォーカルはスティーヴだが、どちらかというとスペンサー・デイヴィス好みのカントリー風の作品。レッドベリーも歌っていたトラディッショナルソングをメンバーがアレンジしている。
Georgia On My Mind
(H.Carmichael / S.Gorrell) 4:39
レイ・チャールズの名バラードをカヴァーしたSDG時代のスティーヴ・ウィンウッドを代表するナンバー。ティーンエイジにしてこのブルージーな曲を歌いこなしたスティーヴのセンスとテクニックは素晴らしく、エリック・クラプトンも自伝の中で「目を閉じて聴けばレイ・チャールズそのものだ」と絶賛している。レイ・チャールズはスティーヴに多大な影響を与えたミュージシャンであり、スティーヴは昔から彼のヴォーカル・スタイルをコピーしていた。変声期にその歌い方を真似していて、気が付いたら自分の声もレイ・チャールズばりにソウルフルになっていた、という話は有名だ。
Please Do Something
(D.Covay / R.Miller) 2:23
R&B・ソウル系ソングライターとして名高いドン・コヴェイの作品。シングルヒットを期待できそうなメロディアスでノリの良いナンバー。
Let Me Down Easy
(M.Dollisno) 3:00
女性ソウルシンガー、ベティ・ラヴェットが歌っていたスローバラード。スティーヴ・ウィンウッドの愁いのあるヴォーカルが魅力的。
Strong Love
(D.Malone / E.Silvers / M.Brown) 2:14
マリバスというカリフォルニア出身のバンドの曲で、これはメンバーの友人であるレコードマニアのコレクションから探し出したものらしい。激しいリズムとコーラスが特徴のノリの良いナンバーで4枚目のシングルとしてリリースされた。
I Washed My Hands In Muddy Water
(J.Babcock) 2:35
スペンサー・デイヴィスがリードヴォーカルをとるカントリー風の曲。スティーヴ・ウィンウッドはコーラスとオルガンでサポートしている。この曲はエルヴィス・プレスリーほか、チャーリー・リッチ、ストーンウォール・ジャクソンなどカントリー系のシンガーが録音している。
Since I Met You Baby
(I.J.Hunter) 3:27
この曲もスペンサー・デイヴィスがヴォーカルを担当する牧歌的なスローバラード。スティーヴ・ウィンウッドはピアノを弾いている。ヴェルヴェット・ヴォイスで知られるピアノの名手、アイヴォリー・ジョン・ハンターのヒット曲。
You Must Believe Me
(C.Mayfield) 2:44
カーティス・メイフィールドのインプレッションズ時代のヒット曲をカヴァー。オリジナルと同様にポップセンス溢れる聴きやすいナンバー。
Hey Darling
(S.Winwood / S.Davis) 4:46
クレジットとしては珍しいスティーヴ・ウィンウッドとスペンサー・デイヴィスの二人による共作曲。スティーヴのシックなヴォーカルが聴けるスローブルーズで、当時のオリジナルとしてはなかなかの力作となっている。
Watch Your Step
(B.Parker) 2:52
アルバムのラストはリズミカルでノリの良い曲で、スティーヴ・ウィンウッドのリードヴォーカルとメンバーのコーラスの掛け合いも息が合っている。モダンブルーズのシンガー&ギタリスト、ボビー・パーカーの作品をカヴァー。
リマスターCD追加収録曲について
Stevie's Blues
(S.Winwood / M.Winwood / S.Davis / P.York) 3:47
6枚目のシングル "Somebody Help Me" のB面に収録された、メンバー共作によるヘヴィなブルーズナンバー。オリジナル作品の中でも出来映えがよく聴き応えがある。なおこの曲には同名異曲ともいえる初期ヴァージョンがあり、CDでリリースされた "Mojo Rhythms & Midnight Blues Vol.2" に収録されている。
Trampoline
(S.Winwood) 2:27
スティーヴ・ウィンウッドの軽快なオルガンをフィーチャーしたインストルメンタル・ナンバーで、7枚目のシングル "When I Come Home" のB面曲。
Back Into My Life Again
(J.Edwards / J.Miller) 2:25
ジャッキー・エドワーズと米国出身のプロデューサーであるジミー・ミラーの共作曲。スティーヴ・ウィンウッド在籍の最後期に録音されたが、曲調がコマーシャル過ぎたのでアルバムには収録されなかったようだ。シングルヒットを期待できそうなキャッチーな作品でクオリティは高い。
Kansas City
(J.Leiber / M.Stoller) 4:18
ウィルバート・ハリスン、リトル・リチャード、ザ・ビートルズのカヴァーで有名なR&Bの名曲。SDGヴァージョンは編集盤CD "Eight Gigs A Week" に初収録された、65年の英国ギグからのライヴテイクとなっている。ライヴ特有の臨場感に溢れておりスティーヴ・ウィンウッドのヴォーカルも後半でかなり白熱している。
Oh! Pretty Woman
(A.C.Williams) 3:20
同じく編集盤CD "Eight Gigs A Week" に初収録された、66年のスタジオライヴ録音曲。オリジナルは A.C.ウィリアムス作のブルーズで、アルバート・キングのレパートリー(有名なロイ・オービソンのヒットとは同名異曲)。スティーヴ・ウィンウッドのヴォーカルもシャープかつブラックフィーリングたっぷりだ。
Det War In Schöneberg
(W.Kollo) 2:42
スペンサー・デイヴィスがドイツ語に精通していたことからSDGはドイツでの人気が高く、同国限定で66年にリリースされたドイツ語によるシングル。この曲は戦前のドイツの作曲家ワルター・コロのオペレッタ "Wie einst im Mai" の中の1曲で、タイトルは "That was in Schöneberg" という意味のベルリン方言(シェーネベルクは地名)。
Stevie's Groove
(S.Winwood) 2:44
ドイツ盤シングル "Det War In Schöneberg" のB面曲。スティーヴ・ウィンウッドのオルガン演奏をメインとしたインストルメンタル。
Stevie's Blues [ US Version ]
米UA編集盤 "I'm A Man" に初収録されたもので、アメリカでのリリースに際してオルガンをオーバーダブした別ヴァージョン。Sundazed レーベルがボーナストラックを追加してCD化した同名盤にも収録されている。
