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スティーヴ・ウィンウッド・アルバムガイド (ABOUT TIME)

ABOUT TIME

Steve Winwood

CD
01. Different Light
02. Cigano (For The Gypsies)
03. Take It To The Final Hour
04. Why Can't We Live Together
05. Domingo Morning
06. Now That You're Alive
07. Bully
08. Phoenix Rising
09. Horizon
10. Walking On
11. Silvia (Who Is She?)

Producer : Steve Winwood

Associate Producer : Johnson Somerset

Engineers : George Shilling, James Towler

Cover Designer : Michael Rios

Musicians : Steve Winwood (vo,org,g)
Jose Pires de Almeida Neto (g), Walfredo Reyes Jr. (dr,perc), Karl Vanden Bossche (perc), Richard Baily (perc), Karl Denson (sax,fl)

Recording : Fall 2002 (Wincraft Studio, UK)

Release : Jun.2003 (Wincraft Music WM0001 / US)

ABOUT TIME (Expanded)

Steve Winwood

DISC 1
01 - 11. Original Tracks

DISC 2
01. Dear Mr.Fantasy [ Live Version ]
02. Why Can't We Live Together [ Live Version ]
03. Voodoo Chile

Producer : Steve Winwood

Musicians (Disc2) : Steve Winwood (vo,org,g), Jose Pires de Almeida Neto (g), Walfredo Reyes Jr. (dr), Randall Bramblett (sax,fl), Caf Da Silva (conga)

Recording (Disc2) : 2003 (Live in Austin Texas, US / Live on tour in 2003, US / Wincraft Studio, UK)

Release : Mar.2004 (Sancutuary SANDD130 / UK)

ABOUT TIME (Dual Disc)

Steve Winwood

Disc1
01-11. Original Tracks

Disc2 (Audio Side)
01. Dear Mr.Fantasy [ Live Version ]
02. Why Can't We Live Together [ Live Version ]
03. Voodoo Chile

Disc2 (DVD Side)
01. Original & Extra Tracks [ Enhanced Stereo ]
02. Dear Mr.Fantasy [ Live Video ]
03. Different Light [ Live Video ]
04. Take It To The Final Hour [ Live Video ]

Producer : Steve Winwood

Recording (Disc2-02) : 2005 (Live in Austin Texas, US)

Recording (Disc2-03,04) : 2005 (Live at Sonoma Jazz Festival, US)

Release : 2005 (Epic 82876746952 / US)

アルバムについて

実に6年ぶりとなるスティーヴ・ウィンウッド通算8作目のスタジオ録音による本作は、期待を遙かに上まわる最高の出来映え。バンドのコアメンバーはブラジル出身のジャズ・ギタリストであるホセ・ネトと、キューバ出身のドラマー、ウォルフレート・レイズを迎えた3名で、スティーヴはハモンドB3オルガンの演奏に徹している。彼らは2003年4月初頭から開始されたツアーに同行しているが、ウォルフレートとは94年のトラフィック・ツアーでも共演しており、ホセとは80年代からの知人であるという。アルバム収録の11曲中4曲はこのトリオでプレイしており、これ以外の4曲にサックス&フルート奏者のカール・デンスンが、6曲にティンバルのリチャード・ベイリーと、コンガのカール・ヴァンデン・ボッシュがゲストミュージシャンとして参加している。

レコーディングに際しては最新技術の使用をあえて避け、ほとんどのナンバーをスタジオ・ライヴ風にシンプルに録音しており、スティーヴ・ウィンウッドは、ループやクリックを使わないでレコーディングしたのは27年ぶりだと語っている。今回のアルバムではブラジル・ロックの流れを汲んだラテンアメリカン・リズム、それにアフロ=カリビアン・リズムが強調されたサウンドが展開されているが、ベースにはルーツであるR&B〜ブリティッシュ・ロックがしっかり根付いており、いつもながらに見事なまでの音楽的融合がなされている。またリリース直前のインタヴューで、ジミー・スミスやジャック・マクダフ等のジャズオルガニストからの影響について触れていることからも明らかなように、オルガンプレイにはジャズ的な要素を大いに取り入れてきている。さらに本作ではベース奏者をおかずに、スティーヴ自身がベースパートをオルガンのフットベースペダルで弾いているが、これはかつてのトラフィックのトリオ時代(60年代後半)以来のことだ。

アルバムの曲作りには2年前から着手していたようだが、ホセ・ネトが自身の作品に収録していた曲をベースに歌詞を加えてリアレンジしたナンバーが3曲も収録されていることは、彼からの影響が大きかったことを物語っている。その作曲能力についてスティーヴ・ウィンウッドは、「ホセは素晴らしいギタリストなんだけど、興味深いのは彼がギターでプレイする音楽を忠実に譜面に落とせることなんだ」と語っており、自身もその方法を積極的に取り入れているようだ。ホセ以外の共作者にはウィリアム・トプリーやユージニア、それにアルバム "Refugees Of The Heart" に参加していたアンソニー・クロフォードの名がクレジットされている。

ヴァージンとの契約を終わらせたスティーヴ・ウィンウッドは、02年の秋に自身のレーベル「ウィンクラフト・ミュージック 」を立ち上げており、本作が新レーベルからの初リリースとなる。新レーベルのネーミングは、自身の苗字とユージニアの旧姓クラフトンを合体させたのもと思われる。レコーディングも英国グロスターシャーのウィンクラフト・スタジオ(恐らく自宅スタジオを改名)にて、レーベル設立と同時期に開始されたようで、プロデュースはスティーヴ自身が担当。久々にイラストデザインを採用したファンタジックなアルバムのアートワークは、サンタナのジャケットをデザインしたことでも知られるマイケル・ライオスが担当している。

※本作は04年3月にボーナスディスク付きの拡大版で再発売されている。追加曲は03年9月のテキサス・オースティン開催の音楽フェスから "Dear Mr.Fantasy" と、同年の米国ツアーから "Why Can't We Live Together" のライヴ2曲、それにスタジオ新録音によるジミ・ヘンドリックスの "Voodoo Chile" の再演を加えたもの。さらに05年にはEPICからライヴ映像を追加したデュアルディスクでもリリースされている。

収録曲について

Different Light
(S.Winwood) 6:35
「このアルバムは大傑作に違いない!」と、ハモンドオルガンによるノリノリのイントロを聴くだけで確信できる。詩も自ら書き下ろしたスティーヴ・ウィンウッド単独作品となると、ファーストアルバム収録の "Midland Maniac" 以来。オープニングを飾るにふさわしい出来映えの曲で、スティーヴの作曲センスが見事に発揮されている。コアの3人にサックスのカール・デンスンをゲストに迎えている。ファーストシングル。

Cigano (For The Gypsies)
(S.Winwood / J.Neto) 6:20
ギタリストのホセ・ネトが96年にリリースしたアルバム "In Memory of Thunder" に収録されていた曲に、新たに歌詞を加えてリメイク。 "Cigano" はポルトガル語で「ジプシー」を意味する。ブラジル・ロックの流れを汲んだ独特のリズムとジミ・ヘンやツェペッリンにも通じる作風は、これまでのスティーヴ・ウィンウッドの方向性とは異なり新鮮味に溢れている。全編でハモンドとネトのギターによるドラマティックなインタープレイが堪能できる。コンガにカール・ヴァンデン・ボッシュ、ティンバルにリチャード・ベイリーが参加している。

Take It To The Final Hour
(S.Winwood / A.Crawford) 5:36
80年代後半からスティーヴ・ウィンウッドのツアーやアルバムに参加している、ギタリストのアンソニー・クロフォードとの共作曲。グルーヴ感溢れるスローなソウルナンバーで、じっくりと聴かせるハモンドオルガンや深みのあるヴォーカルが最高。この曲はトリオのみで演奏している。

Why Can't We Live Together
(T.Thomas) 6:39
72年にヒットしたティミー・トーマスの代表曲のカヴァー。オルガン・ベースを効果的に使える曲として、ドラムスのウォルフレート・レイズの提案で録音が決まったという。オルガンをメインとした原曲の持ち味を上手く生かし、さらにパワーアップさせたアレンジで聴かせる。意識したかは分からないが、今のご時世に相応しいメッセージソングだ。コンガとティンバルを加えている。

Domingo Morning
(S.Winwood / J.Neto) 5:06
アルバム中で最もラテンフレイヴァーが濃厚な作品。ホセ・ネトがアコースティック、およびナイロン・ストリング・ギターで作曲し、2000年リリースの彼のアルバム "7th Wave - The Lucky One" に収録されていた曲に歌詞を加えて再演(原曲タイトルは "Domingo" )。コアの3人のみでレコーディングしている。

Now That You're Alive
(S.Winwood / E.Winwood) 5:29
奥さんのユージニアとの共作曲。ハモンドをメインにコンガとティンバルも加わえているが、曲調はブリティッシュ・ロック風でこれまでのソロ路線を継承しているといえる。カール・デンスンによるミドルのサックスがブルージーに決まっている。

Bully
(S.Winwood / E.Winwood) 5:40
切れ味の鋭いリズミカルなテンポで、ハモンドオルガンを思い切り弾きまくったファンキーな音作りが魅力。ライヴでも盛り上がりそうなノリの良いナンバーだ。曲作りは前曲と同じくユージニアとの合作、演奏は3人にコンガとティンバルを追加。

Phoenix Rising
(S.Winwood / W.Topley) 7:26
パワフルなハモンドオルガンのリードプレイだけで最後まで聴かせてしまう豪快な1曲で、緊迫感溢れる鋭いヴォーカルが素晴らしい。またアクセントで入るカール・デンスンによるフルートはトラフィック風。英国のヴォーカリスト、ウィリアム・トプリーが歌詞サイドでスティーヴ・ウィンウッドに協力している。

Horizon
(S.Winwood / E.Winwood) 4:31
本作中でユージニアとの共作3曲はネトと並んで多い。アコースティック・ギターが奏でる優美なメロディに、スティーヴ・ウィンウッドのヴォーカルも哀愁感に溢れていてじっくりと聴かせる。これまでとはまた違った作風をもつ注目の1曲。

Walking On
(S.Winwood / A.Crawford) 4:54
アルバム後半はこれまでのソロに近い、R&B〜ブリティッシュ・ロック路線が濃厚だが、この曲で前半のラテン風味をさりげなく取り入れて全体の統一感を計っているように感じられる。アンソニー・クロフォードとの共作第2弾で、コンガ、ティンバル、フルートを追加している。

Silvia (Who Is She?)
(S.Winwood / J.Neto) 11:25
アルバムの最後を飾るのは11分半におよぶ長編大作で、この規模は70年代のトラフィック以来のことだ。ホセ・ネトの "In Memory of Thunder" 収録曲に、シンプルだが効果的な歌詞を加えて再演している。静と動を巧みに融合させた実にドラマティックな作品で、プログレ風の展開も見せるインストパートでは、3人のライヴ感覚の熱演が延々と繰り広げられており、かなり聴き応えがある。

Voodoo Chile
(J.Hendrix) 14:49
ジミ・ヘンドリックスの68年のアルバム "Electric Ladyland" に収録、スティーヴ・ウィンウッドがオルガンで参加していた名曲の驚きの再演。スティーヴのハモンドオルガンとヴォーカル、ジミヘンのパートはもちろんホセ・ネトが受け持ち、息の合った素晴らしい演奏を披露している。再発盤のボーナストラックに収録。

ABOUT TIME
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EXPANDED
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DUAL DISC