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スティーヴ・ウィンウッド・アルバムガイド (JUNCTION SEVEN)

JUNCTION SEVEN

Steve Winwood

CD
01. Spy In The House Of Love
02. Angel Of Mercy
03. Just Wanna Have Some Fun
04. Let Your Love Come Down
05. Real Love
06. Fill Me Up
07. Gotta Get Back To My Baby
08. Someone Like You
09. Family Affair
10. Plenty Lovin'
11. Lord Of The Street

Producer : Steve Winwood, Narada Michael Walden

Engineer : Dave 'Frazeman' Frazer

Musicians : Steve Winwood (vo,g,org,key,p,syn,perc,horn-arr)
Narada Michael Walden (dr,key,b,g,syn,perc), Nile Rodgers (g), Des'ree, Lenny Kravitz (g), Ruby Turner (vo), Mike McEvoy (b,g,key), Jim Fischer (g), Vernon "Ice" Black (g), Jos Neto (g), Frank Martin (key), Gary Brown (b), Marc Van Wageningen (b), Walfredo Reyes (dr,perc), Greg Gonaway (perc), Melecio Magdaluyo (sax), Marc Russo (sax), Louis Fasman (tp), Bill Ortiz (tp), Wayne Wallace (tb), Jeff Cressman (tb), Jerry Hey (string-arr,cond,tp), Nathan Rubin (con-master), Rebecca Mauleon (p), Tony Lindsey (vo), Skyler Jett (vo), Nikita Germaine (vo), Tina Gibson (vo), Annie Stocking (vo), Euginia (vo,sporken-part) etc.

Recording : 1996-97 (Netherturkdonic Studio, England / Tarpan Studio, California / Le Crib, New York / A&N Studio, Los Angels)

Release : Jun.1997 (Virgin CDV 2832 / UK)

アルバムについて

アルバムタイトルの "Junction" には「合流点」という意味があるが、これは本作においてスティーヴ・ウィンウッドがナラダ・マイケル・ウォルデンやその他の共演者と合流したことに由来している。これにソロ7作目を意味する数字を付け加えたという。プロデューサー兼マルチプレーヤーとして活躍してきたウォルデンを共同プロデューサーに迎えた本作は、主にスティーヴの自宅スタジオとカリフォルニアで制作され、ゲストミュージシャンにはナイル・ロジャース、デズリー、レニー・クラヴィッツ、ルービー・ターナーらが招かれている。

スティーヴ・ウィンウッドが本作を「ポップソウル・アルバム」と定義しているように、ナラダ・マイケル・ウォルデンのポップセンスとスティーヴのソウル感覚がミックスされた内容に仕上がっている。曲作りにおいてはウィル・ジェニングスは参加しておらず、作曲は主にスティーヴとウォルデンが、作詞は妻のユージニアとジム・キャパルディが担当。多様なジャンルを取り入れたバラエティ豊かなアルバムだが、最大の魅力はスティーヴの力強いソウルフルなヴォーカルだろう。演奏面においてはキーボードはもちろん、インナースリーヴにギターを持つ写真が使われていることから、こちらにもかなり力を注いでおり、ほとんどのソロは自身で弾いているという。

久々のソロアルバム制作に対するスティーヴ・ウィンウッドの意気込みは強く感じられるが、本作はあまり話題にならず残念ながら評価も芳しくない。前作から時間が経ち過ぎたのもひとつの要因かもしれないし、ナラダ・マイケル・ウォルデンとの音楽的相性がミスマッチだったという指摘もある。この時期のライヴパフォーマンスでアルバム収録曲を聴くとこれがなかなか良いので、アルバムとしての方向性のブレは正直なところ惜しい気がする。

収録曲について

Spy In The House Of Love
(S.Winwood / N.M.Walden / J.Capaldi) 4:46
アルバムは力強くストレートなロックナンバーで幕を開ける。これまでの作風にはなかった都会的なポップセンスを伴った曲調で、スティーヴ・ウィンウッドの力強いヴォーカルとギターソロが魅力。ファーストシングル。

Angel Of Mercy
(S.Winwood / N.M.Walden / J.Capaldi) 5:02
グリスを効かせたオルガンが印象的なバラード。スティーヴ・ウィンウッドはさらにウーリッツァピアノやワウペダルギターでソロも弾いている。メロディがことのほか美しくヴォーカルも流麗に響く。ナラダ・マイケル・ウォルデンとの共作曲のなかでは最も成功したナンバーだろう。

Just Wanna Have Some Fun
(S.Winwood / N.M.Walden) 4:57
ファンキーなハモンドをフィーチャーし、女声コーラスも入れたノリの良いダンサブルなナンバー。新生トラフィックでも披露していたシンセサックスのソロもスティーヴ・ウィンウッドのプレイだ。

Let Your Love Come Down
(S.Winwood / N.M.Walden / J.Capaldi) 5:48
女声コーラスとの掛け合いが面白いブラックフィーリング溢れる作品。この曲にはレニー・クラヴィッツがギターで参加しカッティング部分を担当、ソロを弾くのはスティーヴ・ウィンウッドだ。

Real Love
(S.Winwood / N.M.Walden / E.Winwood) 5:21
ストリングスを加えたメロウなバラードで、ピアノの奏でる旋律が印象的でとても美しい。夫婦二人の関係を歌っていると思われる歌詞は、妻ユージニアのペンによる

Fill Me Up
(S.Winwood / E.Winwood) 4:27
夫婦二人だけで書かれたナンバー。独特なリズムをもつ作品で、随所に入る "Thy will be done" というささやくような声はユージニア、印象的なバッキングヴォーカルは黒人女性シンガーのルービー・ターナーが歌っている。スティーヴ・ウィンウッドは彼女の94年のアルバム "Restless Moods" に参加し、1曲でデュエット・ヴォーカルをとっている。

Gotta Get Back To My Baby
(S.Winwood / E.Winwood) 4:52
最高に楽しそうにプレイしている姿が見えるような軽快なサルサ風ナンバー。こんな曲をサラッと演奏してサマになるのは、いろいろな音楽を吸収してきたスティーヴ・ウィンウッドならでは。要のピアノをはじめバックにはキューバのミュージシャンを起用、かなり本格的なラテンサウンドを展開している。

Someone Like You
(S.Winwood / N.M.Walden / E.Winwood) 4:39
このスタンダード風のバラードでは、スティーヴ・ウィンウッドは珍しくヴォーカルに徹している。バラエティ豊かな本作中ではかなり控えめなナンバーだが、メロディアスな旋律がとても美しく、スティーヴの声も優しく響く。

Family Affair
(S.Stewart) 5:17
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの、71年のアルバム "There's A Riot Goin' On" に収録されていた名曲のカヴァー。レコーディングでナイル・ロジャースを招き、CHICの日本公演の際に亡くなったバーナード・エドワーズに捧げている。原曲の泥臭さをあえて捨て、透明感のある洗練されたアレンジによる都会派ソウル風ヴァージョンとなっている。

Plenty Lovin'
(S.Winwood / N.M.Walden) 5:57
デズリーとのデュエットソングは本アルバムのハイライトのひとつ。スティーヴ・ウィンウッドが女性ミュージシャンとのデュエットをソロアルバムに入れるのは初めての試みだ。本作と彼女の "Supernatural" の両方に、実兄で英国ソニーレコードの重役マフ・ウィンウッドの名があることから、彼を通じて実現したと予想される。デズリーは黒人女流シンガーらしく深みのあるヴォーカルを披露していて、スティーヴとも息が合っている。また次作でタッグを組むホセ・ネトがギターソロを担当している。ミディアムテンポの曲調でじっくりと聴かせるナンバー。

Lord Of The Street
(S.Winwood / N.M.Walden / J.Capaldi) 6:26
ハモンドオルガンに加えピアノソロをフィーチャーしたラストナンバーは、スティーヴ・ウィンウッドらしいファンキーなノリの曲。実に楽しげな雰囲気でアルバムを締め括っている。

JUNCTION SEVEN
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FROM INNER SLEEVE