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トラフィック・アルバムガイド (JOHN BARLEYCORN MUST DIE)

JOHN BARLEYCORN MUST DIE

Traffic

Side A
01. Glad
02. Freedom Rider
03. Empty Pages

B.side
04. Stranger To Himself *
05. John Barleycorn
06. Every Mother's Son*

Producers : Steve Winwood, Chris Blackwell, Guy Stevens*

Engineers : Brian Humphries, Andrew Johns

Cover Designer : Mike Sida

Musicians : Steve Winwood (vo,g,org,p,b,dr), Jim Capaldi (dr,perc,vo), Chris Wood (fl,sax,perc)

Recording : Early-May.1970 (Island Studio & Olympic Studio, London)

Release : Jul.1970 (Island ILPS 9116 / UK)

JOHN BARLEYCORN MUST DIE (Remaster CD)

Traffic

UK Edition
01-03. Original Tracks
04. I Just Want You To Know
05-07. Original Tracks
08. Sittin' Here Thinkin' Of My Love
09. Backstage & Introduction
10. Who Knows What Tomorrow May Bring [ Live Version ]
11. Glad [ Live Version ]

US Edition
01-03. Original Tracks
04. I Just Want You To Know
05-07. Original Tracks
08. Sittin' Here Thinkin' Of My Love

UK Release : Oct.1999 (Island IMCD 266)

US Release : Feb.2001 (Island 548 541-2)

アルバムについて

トラフィック解散後スティーヴ・ウィンウッド以外のメンバー3人は、ワインダー・Kフロッグ(ミック・ウィーヴァー)を加えて短期間のライヴ活動を行った。その後デイヴ・メイスンはジミ・ヘンドリックスやデラニー&ボニーと行動を共にした後、1970年に初ソロアルバム "Alone Together" の制作を開始、クリス・ウッドはドクター・ジョンのツアーに同行した後、ジンジャー・ベイカーのエアフォースに参加、ジム・キャパルディはセッション・ミュージシャンとして活動した。スティーヴはブラインド・フェイスとエアフォースでの活動を経て、70年初頭、アイランドのフリーやモット・ザ・フープルを手掛けていたガイ・スティーヴンスのプロデュースにより、ソロアルバム "Mad Shadows" (仮題)の制作に着手した。

気心の知れたミュージシャンとのセッションを希望したスティーヴ・ウィンウッドの意向で、ジム・キャパルディとクリス・ウッドを迎え入れて再びアストン・ティロードのコテージに結集、これが自然にトラフィック再編につながった。同年2月にはソロ活動が中止され本格的にトラフィックとしてのレコーディングが始まり、ガイ・スティーヴンスに代わりクリス・ブラックウェルがスティーヴと共同プロデュースを担当することになった。なお "Mad Shadows" のタイトルは後にモット・ザ・フープルのセカンドアルバムに採用されている。

多種多様な音楽の融合を試みるという基本姿勢は変わらないが、牧歌的でナチュラルな雰囲気と英国風の格調高さをキープしつつ、フォーク、ジャズ、スワンプのエッセンスを濃厚に振りまいたサウンドは、初期トラフィックの音楽スタイルとは異なっている。スティーヴ・ウィンウッドとジム・キャパルディのソングライティングは抜群のコンビネーションを見せ、クリス・ウッドの奏でるフルートやサックスも、トラフィックの音世界を形作る重要な役割を果たしている。最小限の人数で最大の成果を生みだしたアルバムで、トラフィック作品群のなかでは最も穏やかで英国的な香りのする傑作だ。アルバムジャケットのイラストは英国フォーク&ダンス・ソサエティ所蔵のものとなっている。リリース後の8月、ブラインド・フェイスで共演したリック・グレッチをベーシストに迎えアメリカツアーに出発した。

リマスターCDについて

トラフィックのオリジナルアルバム9枚に編集盤 "Heaven Is In Your Mind" と "Feelin' Alright: The Very Best Of Traffic" の2枚を加えた計11枚が、2001年以降デジタルリマスターCDでリリースされた。そのうちファーストとセカンドアルバム、"John Barleycorn 〜" の3枚は英米両国で別々に制作したためか、上記曲目通り追加収録曲に違いが生じている。また同年7月にはオリジナルアルバムに編集盤 "Heaven Is In Your Mind" を加えた計10枚が紙ジャケット仕様の国内盤としてリリースされている。追加収録曲については "John Barleycorn 〜" 以外は米国リマスターに準じている。

"John Barleycorn 〜" のリマスターCDには、アルバムセッション時のアウトテイクと思われる2つのスタジオ録音曲が追加収録されている。両曲ともスティーヴ・ウィンウッドのヴォーカル入りの牧歌的なバラードで、アルバム収録曲に比べると完成度は今一歩だがトラフィックの珍しい未発表音源として貴重だ。英国リマスターにはさらに発売中止になった "Live-November 70" から、フィルモアイーストでのライヴ音源を2曲収録している。メンバーはトリオに加えリック・グレッチがベースを担当、演奏はスティーヴのオルガンをメインとしたシンプルなもので、バックステージでの会話とコンサート会場でのナレーションも収録している。

収録曲について

Glad
(S.Winwood) 6:59
メンバー3人の演奏そのものに重点をおいたインストナンバー。スティーヴ・ウィンウッドのオルガンとピアノ、クリス・ウッドのサックスとフルート、そしてジム・キャパルディのドラムスとパーカッションによるプレイは活気に満ちている。全体的にジャズ風なノリを強調しており、即興的な閃きのようなものを重視している。次曲へ曲間なしに流れ込むというセンスが良い。

Freedom Rider
(S.Winwood / J.Capaldi) 5:30
ここでスティーヴ・ウィンウッドのヴォーカルが初登場して嬉しくなる。田園風の落ち着いた雰囲気と、洗練されたR&Bを巧みにミックスさせた名曲で、前曲の雰囲気を受け継いでサックスやオルガンによるジャズっぽいエッセンスをも加える。多種の音楽要素を融合させた良質のトラフィックサウンドだ。

Empty Pages
(S.Winwood / J.Capaldi) 4:34
ズッシリとしたベースの音をバックにオルガンを大々的にフィーチャーしたロッカバラード。この曲ではスティーヴ・ウィンウッドに加えクリス・ウッドもオルガンを弾いているようだ。スティーヴのヴォーカルがこのノンジャンルともいえる佳曲にとても良く合っているし歌詞も良い。

Stranger To Himself
(S.Winwood / J.Capaldi) 3:57
ガイ・スティーヴンスのプロデュースで録音された曲。ドラムスを含めて、初めてスティーヴ・ウィンウッドが全ての楽器を担当した文字通りのソロ・ナンバー。ワイルドなギターとピアノを上手くミックスさせた、南部アメリカン・テイストの素朴で力強いロック。バックヴォーカルをジム・キャパルディがサポートしている。

John Barleycorn
(Traditional / Arr. S.Winwood) 6:27
アルバムのタイトルに歌詞の一節が採用されたフォーク調の作品。英国のトラッドソングをアレンジしたもので、メンバーに紹介したのはクリスだった。この伝承歌には100以上ものヴァージョンが存在するといわれており、最も古いものだと17世紀のジェイムズ1世の時代にまでさかのぼるという。トラフィックは英国のフォークグループ、ザ・ウォータースンズが歌ったヴァージョンをベースにアレンジしており、スティーヴ・ウィンウッドは97年にソロで、同グループが歌ったトラディショナルのクリスマスソングを録音している。ジョン・バーリーコーンとは酒の原料となる大麦の粒を擬人化した言葉で、これを大地に蒔き、刈り取り、そして酒となるまでの物語がここで歌われている。この曲の歌詞には前述の通りいくつもの解釈があるが、本来は豊作の祈願のための生け贄にまつわる風習、あるいはキリストの復活にまつわる古代伝承と関連があるようだ。スティーヴのアコースティック・ギターとピアノ、クリス・ウッドのフルートをバックに、スティーヴとジム・キャパルディのデュオで歌われるこの曲は、アルバム全体の白眉であると同時にトラフィックを代表するナンバーだ。

Every Mother's Son
(S.Winwood / J.Capaldi) 7:08
ガイ・スティーヴンスのプロデュースで録音されたソロセッション時の作品。ジム・キャパルディによるドラムス以外の楽器をスティーヴ・ウィンウッドが全てプレイしている。落ち着いた雰囲気をもったミディアムテンポの雄大な曲で、後半のオルガンプレイはスケールが大きくて聴きごたえ十分。

JOHN BARLEYCORN MUST DIE
JOHN BARLEYCORN MUST DIE