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トラフィック・アルバムガイド (LAST EXIT)

LAST EXIT

Traffic

Side A
01. Just For You
02. Shanghai Noodle Factory
03. Something's Got A Hold Of My Toe
04. Withering Tree
05. Medicated Goo

Side B
06. Feelin' Good [ Live Version ]
07. Blind Man [ Live Version ]

Producer : Jimmy Miller

Cover Designer : Mike Sida

Musicians : Steve Winwood (vo,g,org,p,b), Jim Capaldi (dr,perc,vo), Chris Wood (fl,sax,b,vo), Dave Mason (vo,g)

Recording : [Side A] Late1967-Nov.1968 (Olympic Studio & Morgan Studio, London) [Side B] Mar.1968 (Filmore West, L.A.)

Release : May.1969 (Island ILPS 9097 / UK)

アルバムについて

スティーヴ・ウィンウッドは69年2月頃よりエリック・クラプトンと新しいバンドのリハーサルを開始しており、その他のメンバー3人はキーボード奏者のワインダー・Kフロッグ(本名ミック・ウィーヴァー)を加えた4人で、短期間のライヴ活動を行った。このアルバムのリリースは同年5月なので、発表時にはすでにバンドは存在していなかったことになる。セカンドアルバム発表後の68年末、デイヴ・メイスン以外の3人がトラフィックとして数曲をレコーディングしているのは事実だが、アルバム1枚を制作するほどのには至らなかったようで、結果的にこのアルバムはA面がスタジオ録音、B面がライヴ録音というスタイルで発表された。スタジオ作品のレコーディング時期に関しては諸説あり、ファーストやセカンド・アルバムのセッション時に録音された曲もあると考えられている。

未発表スタジオ作品とシングル曲、そしてライヴ音源を組み合わせた第1期トラフィックのこのラストアルバムは、完成度という点では前2作にかなわない。しかしスタジオ作品には各メンバーの多種多様な音楽性が現れていて楽しめるし、B面の2曲はこの時期のトラフィックのライヴ音源として貴重な記録だ。アルバムジャケットはジム・キャパルディが女の子の手を引く英国版と、トラフィックのロゴを大きく配したアメリカ版とでデザインが異なっていた。

収録曲について

Just For You
(D.Mason) 2:18
デイヴ・メイスン初のソロシングル "Little Woman" のB面に収録されていたポップ・フォーク調のナンバー。このシングルは68年3月のリリースだが、もともとは両曲ともにトラフィック名義の曲としてファーストアルバムのセッション後に録音されたらしい。なおスティーヴ・ウィンウッドはA面曲について「英国トラッド風の美しい曲」とコメントしている。

Shanghai Noodle Factory
(S.Winwood / J.Capaldi / C.Wood / L.Fallon) 5:06
オルガンとアコースティックギター、そしてフルートにより東洋風の雰囲気を醸し出した凝った作品で、ジム・キャパルディによる独創的な詩の世界が展開されている。"Medicated Goo" のB面としてシングルカットされた曲で、録音はセカンドアルバム発表後にトリオで行われた。一方で「この曲のギターはデイヴ・メイスンだ」という説があり、もし事実なら録音はファーストかセカンドアルバムのセッション時ということになる。なおクレジットのラリー・ファロンは、当時アイランドなどでプロデュースやアレンジ、作曲をしていた人物。

Something's Got A Hold Of My Toe
(S.Winwood / D.Mason / J.Miller) 2:14
スティーヴ・ウィンウッドとデイヴ・メイスン、そしてプロデューサーのジミー・ミラーの共作という珍しい組み合わせのインストナンバー。クレジットにデイヴの名前があることから、録音時期に関してはファーストかセカンドのどちらかのセッションになる。

Withering Tree
(S.Winwood / J.Capaldi) 3:04
シングル "Feelin' Alright" のB面曲でセカンドアルバム録音時の作品。映画 "The Touchables" のサントラ用に書かれたという説もある。フルートとピアノによる独特な音色効果が荒涼とした寂しげな音世界を生み出し、アルバムのなかでも特異な魅力を放っている。

Medicated Goo
(S.Winwood / J.Miller) 3:36
A面の終曲は68年末にシングルリリースされた曲で、録音はセカンドアルバム発表後にトリオで行われた。R&Bをベースにしたファンキーなロックで、スティーヴ・ウィンウッドのギターやクリス・ウッドのサックスが曲のスタイルを決めている。ステージにおける定番曲としても人気が高い。

Feelin' Good
(L.Bricusse / J.Newley) 10:40
サンフランシスコのフィルモア・ウェストにおけるライヴレコーディング。英国の名ソングライティングコンビとして知られるブリッカス&ニューリーの作品で、同曲はミュージカル "The Roar of the Greasepaint - The Smell of the Crowd" のために書かれた曲。若き日のスティーヴィ・ワンダーやジョン・コルトレーンもカヴァーしている。

Blind Man
(D.Malone / J.W.Scott) 7:06
同じくフィルモア・ウェストにおけるライヴナンバー。モダンブルーズ・シンガーとして名高いボビー・ブルー・ブランドの曲で、多くのブルーズマンによってカヴァーされている。

B面を占める上記2曲のライヴはファーストアルバム発表後に録音されたもの。トラフィックのアメリカでのデビューギグはフィルモア・ウェストだったので、時期的にこの音源はそのステージを収録したものだろう。デイヴ・メイスンはちょうど最初の脱退時期にあたり不参加なのでトリオでの演奏だ。この2曲のではスタジオ録音では味わえないようなインプロヴィゼーションとインタープレイによる長い演奏が展開されており、非常に聴き応えがある。スティーヴ・ウィンウッドによる即興風のリードオルガンプレイは曲の長さを感じさせないほどにスリリングで、クリス・ウッドのブルージーでジャズっぽいサックスも、ライヴにおけるトラフィックのスタイルを特徴づけている。

LAST EXIT
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