TRAFFIC
Traffic
Side A
01. You Can All Join In
02. Pearly Queen
03. Don't Be Sad
04. Who Knows What Tomorrow May Bring
05. Feelin' Alright
Side B
06. Vagabond Virgin
07. Forty Thousand Headmen
08. Cryin' To Be Heard
09. No Time To Live
10. Means To An End
Producer : Jimmy Miller
Engineers : Glyn Johns, Eddie Kramer, Brian Humphries, Terry Brown
Cover Designer : Jim Capaldi
Musicians : Steve Winwood (vo,g,org,p,b), Jim Capaldi (dr,perc,vo), Chris Wood (fl,sax,vo), Dave Mason (vo,g)
Recording : Jan.-May.1968 (Olympic Studio, London)
Release : Oct.1968 (Island ILP 981, ILPS 9081 / UK)
TRAFFIC (Remaster CD)
Traffic
UK Edition
01-10. Original Tracks
11.Here We Go Round The Mulberry Bush
12. Am I What I Was Or Was I What I Am
13. Withering Tree
14. Medicated Goo
15. Shanghai Noodle Factory
US Edition
01-10. Original Tracks
11.You Can All Join In [Mono Single Mix]
12.Feelin' Alright [Mono Single Mix]
13. Withering Tree [Stereo Single Mix]
UK Release : Oct.1999 (Island IMCD 265)
US Release : 2001 (Island 542 852-2)
アルバムについて
最高傑作の誉れ高いトラフィックのセカンドアルバムは、脱退していたデイヴ・メイスンが復帰したため再びオリジナルメンバーの4名により1968年初頭から制作が開始され同年10月にリリースされた。前作で支配的だったサイケデリックなムードとトータルコンセプト的な印象が希薄になった反面、各曲それぞれの個性が浮き彫りになっている。収録曲はどれもシンプルでありながら表情豊かで独特の魅力に溢れており、そのクオリティの高さと充実した演奏はメンバーの成長を感じさせる。それに今後の方向を示唆するような凝った曲や、トラフィックの代名詞となるような名曲が誕生している点も見逃せない。メンバーが並ぶジャケットもまたインパクトが強い。
最大の特徴は、デイヴ・メイスンとその他のメンバーとの音楽的な方向性の違いが明確に現れている点。スティーヴ・ウィンウッド、ジム・キャパルディ、クリス・ウッドの3人のペンによる作品と、趣味の異なるデイヴの作品が交互に並ぶこのアルバムを聴くとそれがはっきりと認識できる。ブラックフィーリング溢れるソウルフルなヴォーカルとR&B風の曲調が魅力のスティーヴ主導の曲に対して、インド音楽から抜け出したデイヴのキャッチーなメロディに包まれたカントリー風の曲もまた素晴らしく、趣向の異なる曲が共存しているところに本作の大きな魅力あるといえる。スティーヴとデイヴ両者の溢れんばかりの才能の閃きが、お互いの間にライヴァル心を生みだし、それが結果的にほどよく調和したことが本作の成功の要因であったといえよう。
本作の充実度はサードアルバムへの期待感を募らせるものだったが、リリース直後にデイヴ・メイスンが再び脱退。トラフィックは再びトリオとなり、アメリカなどで精力的にコンサート活動を行ったが、その後スティーヴ・ウィンウッドもまた新たなる道を歩み始めた。明確な解散宣言はなかったが、トラフィックとしての活動はここで一端ピリオドが打たれた。
リマスターCDについて
トラフィックのオリジナルアルバム9枚に編集盤 "Heaven Is In Your Mind" と "Feelin' Alright: The Very Best Of Traffic" の2枚を加えた計11枚が、2001年以降デジタルリマスターCDでリリースされた。そのうちファーストとセカンドアルバム、"John Barleycorn 〜" の3枚は英米両国で別々に制作したためか、上記曲目通り追加収録曲に違いが生じている。"Traffic" の英国リマスターにはサントラ盤 "Here We Go Round 〜" から2曲、68年のシングル3曲を追加収録。一方米国リマスターにはシングル3曲が追加されているが、"You Can All Join In" と "Feelin' Alright" は貴重なモノラルヴァージョンでの収録となっている。また同年7月にはオリジナルアルバムに編集盤 "Heaven Is In Your Mind" を加えた計10枚が紙ジャケット仕様の国内盤としてリリースされている。追加収録曲については "John Barleycorn 〜" 以外は米国リマスターに準じている。
収録曲について
You Can All Join In
(D.Mason) 3:35
アルバムはデイヴ・メイスンの曲で始まる。ポップセンスに溢れる楽し気な作品で彼のフレンドリーなヴォーカルが印象的。リードギターはスティーヴ・ウィンウッド、アコースティックギターはデイヴが担当。クリスのテナーサックスが曲のキーポイントを形作っている。
Pearly Queen
(S.Winwood / J.Capaldi) 4:18
雰囲気はガラッと変わってスティーヴ・ウィンウッド主導の作品。ほの暗い響きのオルガンによるイントロから、バックで流れるさりげないギターとオルガン、デイヴ・メイスンによるエンディングのハーモニカと炸裂するドラムスなど、全編にゾクゾクするような瞬間が散りばめられている。スティーヴのシャープなヴォーカルが冴え渡る英国風に洗練されたR&Bの名曲。
Don't Be Sad
(D.Mason) 3:20
再びデイヴ・メイスンの作品が登場。カントリー風の明るいナンバーで、彼の泣き節ヴォーカルがいい味を出している。クレジットにはないが部分的にスティーヴ・ウィンウッドがヴォーカルをとっており、その部分だけR&Bっぽくなるのが面白い。ハーモニカはデイヴでエンディングのオルガンはスティーヴが担当。
Who Knows What Tomorrow May Bring
(S.Winwood / J.Capaldi / C.Wood) 3:11
スティーヴ・ウィンウッド主導の実に黒っぽい作品。全編を貫く巧みなキーボードプレイが印象的で、シンプルな曲構成に抜群のセンスを感じさせる。冒頭ではスティーヴのファルセットヴォイスが聴ける。クレジットによるとクリス・ウッドとデイヴ・メイスンは録音に携わっておらず、ドラムス以外の楽器はスティーヴが担当する。
Feelin' Alright
(D.Mason) 4:16
A面最後を飾るのはシングルヒットを記録したデイヴ・メイスン作の名曲で、初期トラフィックのキャッチーな面を代表するナンバー。リードヴォーカルとアコースティックギターはデイヴ、ピアノはスティーヴ・ウィンウッドが担当し、エンディングにはバックヴォーカルで絡む。ジョー・コッカーをはじめカヴァーも多い。
Vagabond Virgin
(D.Mason / J.Capaldi) 5:21
珍しくデイヴ・メイスンとジム・キャパルディの共作でリードヴォーカルもこの二人がメインで歌っている。リード&アコースティックギターはデイヴ、ピアノはスティーヴ・ウィンウッドが担当、クリス・ウッドのフルートも印象的に響く。独自色の強いデイヴの作品としては比較的トラフィックっぽい仕上がりになっている。
Forty Thousand Headmen
(S.Winwood / J.Capaldi) 3:13
後期トラフィック・サウンドを先取りしたかような凝った作風で、デイヴ・メイスンが復帰する前にトリオで録音している。クリス・ウッドの多彩なフルート奏法が幻想的な雰囲気を生みだし、スティーヴ・ウィンウッドのアンニュイなヴォーカルとうまく解け合っている。スレイベルとコーク缶もクリスが担当。 タイトルは "Roamin' in the Gloaming" とされる場合もある。
Cryin' To Be Heard
(D.Mason) 5:14
前曲から間髪を入れずに始まるドラマテックなこのナンバーはデイヴ・メイスンのペンによる力作で、多彩な表情を見せる彼のヴォーカルテクニックが素晴らしい。スティーヴ・ウィンウッドによるハープシコードやオルガンを効果的に配し、前曲の雰囲気を受け継ぎながら劇的な展開をみせる。
No Time To Live
(S.Winwood / J.Capaldi) 5:19
ピアノベースの儚いメロディーと、むせび泣くようなサックスの音色、そして哀愁を帯びたスティーヴ・ウィンウッドのヴォーカルが美しい。静寂に包まれたひっそりとした夜に奏でられる悲歌のような曲だ。クレジットによるとピアノはスティーヴ、オルガンはデイヴ・メイスンが担当している。
Means To An End
(S.Winwood / J.Capaldi) 2:35
ラストは軽いノリのカントリー風ナンバー。ドラムス以外の楽器をスティーヴ・ウィンウッドが担当し、デイヴ・メイスンとクリス・ウッドはバックヴォーカルを歌っていると思われる。曲調に合わせてスティーヴのヴォーカルもめっぽう明るく、実に楽しげにアルバム全体を締めくくる。
Here We Go Round The Mulberry Bush
(S.Winwood / J.Capaldi / C.Wood / D.Mason) 2:37
67年秋に公開された映画 "Here We Go Round The Mulberry Bush"(邦題「茂みの中の欲望」)のタイトル曲。フルートを効果的に使った牧歌的な作風の曲。デイヴ・メイスンを含むメンバー4人の共作で、リードヴォーカルはスティーヴ・ウィンウッドが歌う。トラフィックの3枚目のシングルとしてリリースされオリジナルアルバムには未収録。
Am I What I Was Or Was I What I Am
(S.Winwood / J.Capaldi / C.Wood) 2:33
映画「茂みの中の欲望」のみに収録されたデイヴ・メイスンを除く3人の共作曲。トラフィックとしてはわりとシンプルなロックで、スティーヴ・ウィンウッドがリードヴォーカルを担当している。

